あたまがいっぱい

猫舌と胃腸虚弱は遺伝のせいなのか

日本人の陥りがちな宗教に対する重大な誤解

これからの宗教の話をしよう - あたまがいっぱい

で宗教について熱く語ってしまったのだが、どうやら色々とネットで調べているうちに、一般的な宗教に対する認識と僕の情報との間に齟齬があるように感じた。認識のズレがあるまま書き綴っても誤解は広がるだけだと思うので、先ずは決定的に異なると思う二点を上げて説明したいと思う。

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一神教多神教の違いを理解すべし

一神教とは唯一絶対の神を崇める宗教である、ある意味それは正しい。

しかし実は重要な要素が抜け落ちている。

それは一神教を信じる個人個人にも考え方に違いがあるという事実だ。宗派とかそういうものではない。もっと細かく個人レベルの信仰を一神教を信仰する人が実際どのように捉えているかを先ず理解して頂きたい。

そうすれば変なカルトに騙されることもはてきめんに減るだろう。

近代の宗教、特にプロテスタントでは教義や伝統に対して、個人的な宗教の解釈に対してかなりリベラルであると言って良い。具体的に言えば、礼拝にも行かないしお祈りもしないが神は信じていてそれはキリスト教の神だ、と言うことが許されているのだ。

じゃあ古代はどうだったのかといえば、昔の人だって同じ神を崇めていたとしても全員がすべで隅から隅までおんなじ宗教観であるはずはない。そんなことは不可能だし、教義だって程度の差はあれ、個人の差異に対してはその都度時代に合わせて柔軟に作られてきたのだ。

じゃあ逆に日本はと言えば、日本は多神教だとはいっているが現代の神社に関してはどこへ行っても、同じ様式、同じ宗教観で参拝することが出来る。(厳密には違うんだけど一般にその違いを意識する人は少ない)単に神様の数が多いだけで教義自体は統一されたものを感じる。

もともと神社の基となったのは土着の信仰であって、本来つ一つは全く異なる異質なものであったのだ。それが政治的な統一を経て現在の均一化された外見が出来上がっているのである。

これは欧米人から見ると奇妙に感じるポイントだ(そうだ)。絶対に完全に均質になることのない個々人の宗教観を、多神教という体をとって概念上一つにまとめてしまい、皆が違うと皆が思ってることは皆同じ、という半ば強引なロジックで一つの形を保っているからだ。

そのため欧米人の間違いとしてよくあるのは、日本人は同一の宗教観を全員が共有しており、故に全体主義で機械的であり、感情を表に出さない民族である、という偏見に満ちた誤解が生まれてしまうのである。これが間違いであるのは日本に住む人なら理解できるはずだ。

だから日本人も同じように一神教に対して誤解は抱かないで欲しい。

一神教といったって、全ての人間が統一された意思のもと機械的に功利的に行動するわけでは全くない。一つという体は取っているが、その中身は多様なのだ。

つまり言ってってしまえば多神教一神教という分け方は、どのレベルで信仰の多様さを求めているか、と言う違いでしかない。

多神教ならば神というレベルで多様性が有り、一神教ならば個人という単位での多様性があるのである。

◯信仰を持つことと宗教団体に加入することは違う

もう一つ指摘しておきたいのは、信仰を持つことと宗教団体に加入することは全く違う話だということだ。日本人の多くは宗教と聞くと礼拝堂やモスクなど一箇所に集まって儀式を行うことだと思いがちだがその認識は誤りである。

多くの宗教における礼拝や儀式などの行為は、信仰を確認するオリエンテーションの場であって、信仰のは普段生活している日常でありこれこそが本番なのだ。

じゃあなぜ宗教団体が存在するのかって?

それは完全に利便性の問題、人間の都合である。

同じ神を信仰している人が集まれば話も盛り上がるし楽しいだろう?気の合う仲間で飲み会を開くのと同じである。それになにか宗教上必要な道具とかもみんなで集まればお金出しあってなんとかなったりするもんだ。

宗教法人が非課税なのもこれが理由だ。だってお金の有る無しで個人の信仰が左右されることがなく、信仰の自由を国が保証することになるからね。)

でも僕個人はこの考えには反対だ。

最初は気の合う仲間で楽しくやっていても規模が大きくなればそうも言っていられなくなるのが人間の性だ。利権やしがらみが生まれて本末転倒になるのは目に見えているのだ。皆で楽しくやるのと宗教とは分けて考えるべきだと思う。

テレビなんかで宗教を理由に集まってヒャッハーしてる連中をよく見るが、お前らそれって宗教関係なくて、お前らが勝手にヒャッハーしただけなんちゃうか?とよく思う。

宗教には人を集めて何かをさせる力があるが、それは人間の力だ、それを何を勘違いしたのか"神の意思"とか今どき中学生でも言わないことを言っちゃって正々堂々と暴力を振るったり金策に走ったりする。

中央アジアで暴れてる連中を指さして「だから宗教は…」なんて毒づいても、日本でだって宗教団体が政権に関わってやりたい放題やっているので他所の国のことなんか文句は言えないはずだ。

だからやたらと宗教団体に加入することに拘る宗教が貴方のところに来たら黄色ランプが点いたと思って良い。個人の信仰を守るのに集団の力を借りなければいけないことなんて殆ど無いはずだ。

是非参考にして身を守って頂きたい。